乗り物を乗り継ぎ立山へライチョウを探しに行く
ゴールデンウィークの混雑の中、雷鳥を探しに立山まで行ってきました。
一日目
特急あずさで信濃大町へ
今回の旅は立山黒部アルペンルートを長野側から富山側へ抜けるので、まずは長野側の玄関口・信濃大町を目指すべく特急あずさに乗り込みます。
八王子駅から乗車をするのですが、最近のあずさには不安なことが一つ・・・。
それは、3月のダイヤ改正から導入された『座席未指定券』というもの。
あずさは自由席がなくなりその代わり上に緑・黄色・赤で空席の状況を表示し
空いている席なら座ってもいいというものになりました。
特急「あずさ」「かいじ」は全車指定席に 中央線特急の料金改定、新たに「座席未指定券」設定 | 乗りものニュース
八王子から乗る我々の席は、新宿から八王子間は空席となっています。
ゴールデンウィークの人が溢れるこの時期にこの制度を理解していない人が自分の席に居座っていてどいてくれなかったらとヒヤヒヤしていました。
しかし、何事もなくすんなりと座ることができました。
椅子にぬくもりがあったので直前まで誰かが座っていたようです。
大町山岳博物館で雷鳥を見る
列車に揺られ約三時間。
団体で旅するおじさまおばさまたちの興奮の様子を横目に
信濃大町へ到着です。
まずは、目的の一つである大町山岳博物館へ行きます。
タクシーで行こうかなと思っていましたが、地図を見たら歩けそうだったので徒歩で向かうことにしました。
町中から北アルプスの山々が見え、とても気持ちの良い眺めでした。
ちょうどこのとき、環水平アークも見れました。
博物館は北アルプスの動物や地質など様々な展示がありました。
そして、この博物館には付属園というものがあり、そこにライチョウが2種類いるのです。
日本の雷鳥はかなり厳重な建物で飼われていました。絶滅危惧種なので大切にされています。
この食べている葉っぱも殺菌済みだそうです。
そして、もう一種類のライチョウはスバールバルライチョウです。
スバールバルライチョウは割とカジュアルな感じで展示されていました。
こっちのライチョウは小屋の奥に引っ込んだり出てきたりとかなりちょこまかアクティブに出たり入ったりしていました。
動きがとってもかわいい。
スバールバルライチョウは日本のライチョウの繁殖技術の確立を目的として飼われているそうです。
大町温泉郷に泊まる
その後、駅にもどりお腹がすいたので駅内にある立ち食いソバを食べました。
そば処の長野だけあって立ち食いソバもおいしい。
生めんタイプで茹でるのに3分ほどかかるのですが、そば粉含有率6割ほどのソバは香り豊かでとってもおいしかったです。
その後、バスに乗り宿泊先の大町温泉郷に行きました。
ここは立山黒部アルペンルートの途中にあり前泊するのにぴったりの場所です。
今回は早出ができる朝食なしの登山者向けプランを利用しました。
ホテルに到着し、時間を持て余したので大町温泉郷を散策。
大町市内には町中に井戸水を飲める場所があるのですが、その水の種類は2種類あるのです。
一つは男清水・もう一つは女清水
大町温泉には男清水がありました。
男清水は北アルプスの伏流水・女清水は居谷里というところの水を使っているそうです。
なぜ、男と女に分かれているかというと、男清水を使っている集落は男の子ばっかり生まれ、女清水はその逆で女の子ばっかり生まれたところからその名前がついているそうです。
大町温泉郷は今が桜の見ごろのようで、桜まつりのようなものをやっていました。
今年は何度もお花見ができてしまいました。
ホテルにもどり夕食を頂きます。
夕食はビュッフェ形式で、鱒や牛、山賊焼きなの長野の名産がたくさんありたらふく食べてしまいました。
夕食後、温泉に入ります。温泉だけあっていつまでも体がポカポカしていました。
温泉の後の楽しみといえばこれ。
「富よりも健康」なんとも言えないキャッチコピー付きです。
その後、就寝。一日目終了
二日目
前の日に買っておいた洋菓子を朝ごはん代わりに出発です。
本当は路線バスで扇沢に行こうとしたのですが、今回はタクシーに乗り行きました。
4100円です。
扇沢駅大混雑
タクシーの中で運転手さんがいっていたのですが、朝の7時過ぎなのにもうすでに扇沢で電気バスに乗るのに2時間待ちだそうです。
こんな早い時間からに混むことはあまりないそうなので、これぞ10連休の影響ってことでしょうか。
事前に乗車時間を指定できるWEB予約というものを利用し、乗車時間をしていたおかげでこの長蛇の列に並ぶことなくバスに乗車できました。WEB予約専用のチケット交換窓口もありほとんど並ぶことがありません。
すんなりと関電トンネル電気バスに乗ります。関西電力が運営している電気バス。
なので、改札にいた係員はちょっと関西弁な感じでした。並んでいる間に弁当を売りながら笑いを取っていたのでさすが関西人だなと感心です。
このバスはなんと今年の4月にデビューしたばっかりの新型です。
これまではトロリーバスだったのですが、今年から電気バスになったそうです。
バスなのにモーター駆動なので、バス特有のエンジンの揺れもなく乗り心地が良かったです。
電気バスで黒部ダムへ
電気バスはほとんどトンネルの中を走ります。バスは黒部の太陽で描かれている破砕帯を通過し、16分ほど走り黒部ダムへ到着です。
駅へ到着すると道は二手に分かれます。
ダムへ直接行く道と展望台へ行く道。
展望台へ行く道は謎キャラが登る人を応援してくれます。
220段の階段を登りきると展望台へ到着です。
その後、展望台から降り、レストハウスに行きます。
レストハウスにはこんな名物があります。
ダムカレーは何種類かルーがあるようで、今回食べたのはタイカレーのようなカレーです。ピリカラでなかなかの味でした。
ダムの水の色が緑っぽかったのでそれを表すためにグリーンカレーだったのでしょうか。
他にも破砕帯の水を利用したハサイダーなんていうのもあります。
我が家には数枚ダムカードありますが、黒部ダムカードはダムカード界の中では最強!そんな気になってしまうのは私だけでしょうか。
ケーブルカーで黒部平へ
ダムを堪能した後、ケーブルカーに乗ります。ここでチケットを見せると次に乗るロープウェイの整理券を渡されます。
このケーブルカーは全線トンネル内を走ります。結構な斜度なので、どうやってこのトンネル掘ったのだろうって疑問がわいてきます。
車両は開業当時(1969年)から利用していて車両の更新をしていないそうなのですが、全線トンネルなので全く古い感じはしませんでした。
ロープウェイで大観峰へ
ケーブルカーを降りると黒部平駅へ到着です。
ケーブルカーでどんどん人が送り込まれてくるので人が溢れかえっていました。
売店なんか人だらけで買い物できる状態ではありません。
整理券の番号が呼ばれるまで外に出て景色を眺め待っていました。
小一時間待ちロープウェイへ乗車です。
このロープウェイは途中支柱がないワンスパン方式というものです。
途中に支柱がないので結構揺れるのかなとか思ったのですがほとんど揺れは感じなかったです。
日本唯一のトロリーバスで室堂へ
ロープウェイで大観峰へ行くといよいよ室堂への最後の乗り物・立山トンネルトロリーバスに乗車です。
ここでは待ち時間はそんなにありませんでした。
去年までは関電トンネルもトロリーバスだったんですが、現在ではこのバスが日本唯一のトロリーバスだそうです。
屋根の上に変なアンテナみたいなのがあり、そこから電気を取り入れているそうです。乗り心地は関電電気バスと同様な感じでした。
ホテル立山に荷物を預けて散策へ
いよいよ目的地・立山室堂へ到着です。
到着時はチェックイン時間前だったのですが、荷物を預かってくれます。そして、その荷物は部屋に届けておいてくれるという至れり尽くせりな対応です。
また、ホテル立山では宿泊者にはスノーシューを無料で貸してくれるので、スノーシューをもって雪原へ繰り出します。
雷鳥発見
今回の旅行のメインイベント。雷鳥捜索へ出発です。
我々はスノーシューを履いて歩いていましたが、海外からのツアーの人たちは布のスニーカーやヒールで雪原へ繰り出してました。
絶対、足冷たい。
ザクザクザクと雪を踏みしめみくりが池の脇を歩いていた時です!
「グアーグアー」と鳴きながら雷鳥が飛んでくるではないですか!
人が近くにいるのに全然怖がることもなく堂々としていました。
どうやら縄張りを主張しているらしいです。
雷鳥捜索を終えてひとまずホテルに戻ります。
ホテル立山限定雪の大谷見学会
ホテルへチェックイン後、ホテル立山開催の『雪の大谷』見学会へ参加します。
一般の人は午後5時までしか雪の大谷に入れないそうなのですが、ホテル立山開催の雪の大谷見学会は5時以降に行われます。
そのため、混雑することなく雪の壁を見ることができました。
このときで一番高いところは16mの高さです。
ちなみに雪の大谷とは『雪の大きい谷』ということではなく、ここらへんの地名が『大谷』なので雪の大谷だそうです。
また、この時も雷鳥を数羽見ることができました。
夕食がすごい
ホテルに戻り夕食の時間です。
夕食は和食とフランス料理が選択できます。どちらも富山の食材をふんだんに使っているそうです。
今回は和食を食べました。
どの料理もおいしすぎて全部食べるのがもったいない。ずーっと食べていたい。そんなおいしさでした。山の上でこんな料理が食べられるなんてすごい!
白エビをお酒のようなものにつけて食べる食べ方がとてもおいしかった。日本酒と梅干を煮詰めたものらしいです。
夕食後の楽しみ
夕食後はホテルのカフェのようなところでスライドショー鑑賞会です。
立山にまつわる豆知識のようなものをたくさん教えてくれて楽しかったです。
その後、晴れていたら星空見学会などもあるのですが、あいにくの天気で中止でした。
翌朝のご来光バスも天候が悪く中止。
ちなみのこのイベント全部無料です。
ホテル立山の宿泊料は若干お高めなのですが、この至れり尽くせり感からするとお値段以上って感じがします。
三日目
高山病になりかける
三日目の朝。昨日から若干頭が痛かったのですが、起きたらとてつもなく頭痛い。そして、すこし気持ち悪い。どうやら高山病になってしまったようです。
高山病は水分不足が原因のこともあるようなので、水をガブガブ飲んでみたところ、割とよくなってきました。
しかし、朝食ビュッフェをほとんど食べられなかったのが心残りでした。
荷物を預けて雷鳥探し
体調も割とよくなってきたので、荷物をまとめてチェックアウトして出発です。
宿泊者はホテルのロッカーに荷物を預けることができます。
また、大きい荷物はふもとまで送ることができます。
この日もまた雷鳥探しに出発です。
今回はアイゼンを装着し、歩いてみました。アイゼンだとやはりズボズボとハマるところがあったりします。
そして、この日もまた雷鳥を発見です。今回はりんどう池近くで発見することができました。
雷鳥の足跡があるのでまわりを見てみると雷鳥がひょっこりいました。
今回、この旅で5度、約10羽ちかくの雷鳥を見ることができました。
ちなみの雷鳥の発見を立山自然保護センターに報告すると雷鳥シールがもらえます。
高原バスで下山
雷鳥を堪能した後、下山開始です。
高原バスに乗るのですが、12時過ぎでもう長蛇の列ができていました。
30分ほど待ち乗車です。
バスの車窓からは雲海が見えたり、日本最大級の落差の滝が見えたりと1時間のバス旅も楽しく過ごせます。
美女平駅でケーブルカー
バスで1時間、美女平に到着です。
美女平の駅の横には大きな杉があります。
この杉には伝説があるそうで、
『美しき御山の杉よ 心あらば わがひそかなる祈り ききしや』と3回唱えて祈ると恋が成就するそうですよ。
ここでケーブルカーに乗り立山駅へ出発です。
このケーブルカーは2両編成なのですが、1両は貨車という面白い造り。
大きな荷物の人は貨車に荷物を積み込みます。
ケーブルカーで降りていると車窓からとっても小さい線路が見えました。なんだろう。
ケーブルカーで立山駅到着
ケーブルカーを降りると富山地方鉄道への乗換駅立山駅へ到着です。
特急の発車時間まで時間があったので周囲を散策しました。
フラフラしていると博物館を発見
入場無料(一部有料)でなかなか見ごたえのある博物館でした。
その中で、さっき車窓から見つけた線路の謎が解けました。
砂防工事の専用のトロッコのようでした。
どうやら乗車体験もやっているようなのでいつか乗ってみたい。
富山地方鉄道で富山駅へ
博物館を堪能したあと、特急に乗って出発です。
この特急どこかで見たことあると思ったら、むかし東武のレッドアローで使われていた車両のようです。
約1時間の乗車で電鉄富山駅に到着です。
ここで、ホテルで預けた荷物を回収します。ちゃんと届くなんてすごいシステム。
富山ブラックを喰らう
新幹線まで時間あったので富山駅周辺をフラフラ歩きます。
そして、おなかがすいたので名物ラーメンの富山ブラックを食べます。
富山ブラックは色の通り結構味濃いめです。しょっぱい。
でも、このしょっぱさがクセになるっていう感じです。
どうやらこの塩加減は働く人のためにごはんにあうラーメンとして開発されたそうです。
となりのお客さんはご飯にラーメンを載せて食べていました。
今回行ったラーメン屋さんはこちらです。
観光後、新幹線
その後、富山城の方まで散策したりして新幹線の乗車時間まで時間をつぶしました。
新幹線に乗る前にもう一つの富山名物を購入。
またもや食い倒れの旅です。
そうして、新幹線かがやきであっという間に東京駅へ到着です。
今回の旅は目的の雷鳥を何羽も見れてとっても大満足の旅になりました。